ヒマラヤ6000m峰登山Q&A

作成 岡山県山岳連盟加盟アルパインクライマーズクラブ岡山

 

1 隊員参加費50万円は、安い?高い?

  ⇒メラピーク(6473m)へは、商業公募登山隊も日本はじめ欧米から多く入山しています。
エージェントごとに若干の金額差がありますが、平均70万円が相場です。実際は50万円までで済みます。
つまり平均20万円がエージェント利益として加算されています。

   今回の岡山メラピーク登山隊は、手作り登山隊ですので正味必要経費50万円で済まします。

2 隊員参加費の内訳は?

  ⇒日本〜カトマンズ往復の航空運賃(格安航空券+サーチャージ料+出国税)

   カトマンズ〜ルクラ往復の航空運賃(場合によりチャーターヘリ運賃)

   ルクラ〜BC往復のキャラバン費用(ポーター料、期間中3食の食事、テントレンタルやロッジの宿泊料)

   登山許可証やトレッキング許可証、国立公園入域許可証の取得必要費用

   期間中のシェルパ雇用費用と規則で定められているシェルパへの装備・食料支給費用

   雇用したシェルパやコック、キッチンクルーやポーターへの保険料

   BC以上の共同装備レンタル料(テント、コンロ等)、カトマンズでの共同登攀装備購入費(スノーバーや、アイスハーケン等)、
高所キャンプ食料(日本食)費用

   カトマンズでの宿泊費用と朝、夜食事費用

   ネパール山岳協会登録エージェントの手数料⇒ロールワリントレック(株)

   日本山岳協会山岳保険共済会の掛け捨て「海外登山保険」の保険料

3 その他の費用は?

  ⇒以下は個人支払いとなります。

   「日本国パスポート」取得に必要な費用

   ネパール入国ビザ⇒30日間有効ビザ25ドル(カトマンズ空港で取得)

   個人のビザ取得用写真

   お土産代、観光地での入場料、観光移動のための交通費

   持病薬代、カトマンズでの昼食費用

   日本国内移動交通費、個人装備レンタル代や購入費

4 持参するお金は円?、ドル?

  ⇒円でもドルでも結構。ただし絶対ドルが必要なのは入国ビザ25ドル。

   円高ドル安の今は、ドルのほうがお得。

   参考までに1ネパールルピー=1円10銭の換金レート、
物価は紅茶1杯が20ルピー程度、ミネラルウオーターが100ルピー

5 食事内容は?どんな?

  ⇒カトマンズは、洋食か中華やチベット料理が主体、ホテルではクーポン券システム。

  ⇒キャラバン中やベースキャンプは、隊で雇用したキッチンクルーが作る和、洋食主体

   てんぷらや、うどんなどの和食もよくでてきます。紅茶やから始まる英国式スタイル。

   たまにおいしいネパール定食「ダルバート」がでてきます。

  ⇒高所キャンプは、ラーメンやアルファー米などによる日本食、行動中は行動食パック

6 宿泊環境、どんなところでとまるの?

  ⇒カトマンズは、中級ホテル(部屋はツイン仕様で2人部屋、バス付)

  ⇒ルクラなどの宿場は、ロッジ(日本の山小屋風)(部屋はツイン仕様で2人部屋、バスなし、ところにより寝袋使用)
食事は隊で雇用したキッチンクルーが作ります。

  ⇒キャラバンやBC、高所キャンプはテント泊となります。

  ⇒トイレは、ホテルやロッジは部屋や建物内にあります。水で流すネパールスタイルは清潔です。
キャラバンやBCにはトイレテントを張り架設トイレを作ります。高所キャンプは、

   雪の上!(しかたがありません。大はできるだけBCでお願いします。)

7 寒さや温度などは?

  ⇒ネパールの4月はプレモンスーン期で、登山にとってはもっとも安定した時期です。

  ⇒ネパールの緯度は日本の奄美大島の緯度とほぼ同じですから,
カトマンズでは高度約1300mで4月の最低気温が12℃、最高気温が27℃。
つまり最低気温が岡山の4月の最低気温と同じで最高気温が岡山の6月下旬の最高気温と同じです。
ですから、朝晩は岡山の春、昼間は岡山の夏と思ってください。

  ⇒キャラバンやベースキャンプでは、どうなるのでしょうか。山での温度は無風状態で100m高度が上がると気温が0.6℃下がります。
キャラバン起点終点のルクラの高度が
2800mなのでカトマンズより9℃低くなります。
つまり最低気温が3℃、最高気温が18℃
ベースキャンプが約5000m近くですので最低気温−10℃、最高気温5℃
(体験では太陽に近くなるので、晴れれば15℃くらいに感じます)
登山中は、日本の5月連休の北アルプスに似た登山環境と思ってください。
5800mのハイキャンプ(C2)の出発は午前4時ごろです。一番寒い時間帯です。−15℃くらいです。
ピーク6473mには、午前9時ごろにつく予定です。ここでも−5℃くらいと予想されます。
非常に寒い冬季の日の大山登山と思ってください。

8 ウエア装備はどんなものもっていけばいいのでしょうか?

  ⇒7の高度との気温関係を考えれば次のようなウエアが考えられます。
カトマンズでは、日本の4月で着ているもの。長袖が必要です。朝晩はフリース必要。
キャラバン中は、下着は上下ポリエステル製。サポートタイツやズボン下は必要に応じて着用しましょう。
ズボンはトレッキングズボン、上体は、下着の上に長袖の薄手フリー
ス、寒ければその上にジャケット着用。
朝晩は軽羽毛服をさらに着用すればいいでしょう。靴は、ハイカットのトレッキングシューズが必要です。
ベースキャンプではさらにフリース
また、ストックはダブル(2本)使用が便利です。
キャラバン途中で雪があるところは、登山に使う冬季仕様の靴を履きます。現地で判断です。この場合のアウターは雨具着用で充分です。

  ⇒登山中、アタック時は、冬山完全装備着用のこと。靴は冬季仕様の靴、スパッツ着用。
キャラバン中の服装に上下アルパインパンツやヤッケが必要でしょう。手袋もダブル仕様のもの。
ハーネス、高所帽子、登高器(カトマンズでレンタルできます)、スリング3本
カラビナ3枚(2枚は安全環付)、
アイゼン12本爪、ピッケルが必要です。

9 その他の装備では、どんなものが必要ですか?

  ⇒寝袋は、冬季仕様のものが必要でしょう。これもカトマンズでレンタルできます。

  ⇒基本的には、日本の冬山テント泊の装備が必要です。

  ⇒サングラスやリップクリーム、日焼け止クリーム(強力なもの)は必要です。

10体力や技術力はどの程度必要ですか?

  ⇒メラピークの場合は、テクニカル的には初級の6000m峰で、しっかりしたアイゼン、ピッケルワークと滑落停止技術があれば問題ありません。

  ⇒頂上への最後の50mが急な雪壁登攀です。ここは、固定ロープに登高器を使います。

   登高器の扱い方は国内でご指導しますのでご安心ください。操作は簡単です。

  ⇒体力が一番でしょうか。10キロ程度の荷物で冬の大山夏道ルートを登り下り4時間から5時間でいけるのなら、大丈夫です。

11登山中は何キロほどの荷物を担ぐのでしょうか?

  ⇒キャラバンは、日帰り山行程度の荷と考えればよいでしょう。カメラも忘れずに!

   行動中不要な荷物は、ポーターにもたせ、彼らが運びます。(30キロ程度まで担ぎます)

  ⇒登山中は、高度順化中は登ったり降りたりします。5キロ以内の行動用のテルモスなど

   をザックに入れます。

  ⇒高度順化で高所キャンプに初めて泊まるときは、寝袋をプラスして荷揚げしますので、

   10キロ程度までです。

  ⇒アタック時は、5キロ以内の荷物を担ぎます。

12高度順化ってどうするんですか?

  ⇒地上0mの空気中の酸素分圧を100%とすると、3500mで3分の2、5400mで2分の1、8200mで3分の1となってます。
普通は日本アルプス3000mではほとんど高所障害が出ませんが、富士登山で多くの方が何らかの高所障害がでます。
それは3分の2の酸素分圧となるからです。今回の登山では、ルクラが2800m(大丈夫)。2日目にいきなり、

   4600mのチェトラ峠を越します。ここでおおかたの方必ず高所障害になります。

   手前のチュタンガ(3100m)で2泊して付近で4000m台の順化をして、3日目に峠越えをします。
この峠越えが第1の関門です。ここが上手くいけばベースキャンプ入り1日前の宿泊地タグナック(4356m)で
5000m台の順化を裏山で行い2日を要してベース入りします。ベースキャンプ地のカーレ(5000m)までを第2関門です。

次は登山です。
メラ・ラ(5415m)までの順化が第3関門です。2回往復して順化します。そしてハイキャンプ(5800m)まで一度行きます。
ベースに下り、1日休養して、アタックに備えます。ベースから、約10キロの寝袋等を荷を担いで、ハイキャンプ入り。
テントはシェルパが設営します。
1泊し、翌日午前早くアタック開始します。ピークに午前10時まで登り、4時間かけて、ベースへもどります。
ですからなんといってもまずは4000mの初期順化が最大の関門でしょう。ここが上手くいかねば頂上へはとどきません。

13ヒマラヤって急な登高ばかりでは?

  ⇒メラピーク登山に限っては、急なところはありません。だらだら登りの登山です。
ですから、高所入門の山なのです。高所順化が一番の鍵である山です。

14ヒマラヤ登山での感動とは?

  ⇒キャラバンの楽しさ、特にメラピークの場合はエベレスト街道から離れるので、素朴なキャラバンが楽しめます。
しかし登山隊は多いです。2006年度は170隊887名が入山しています。

  ⇒登山中は氷河の美しさ。景色が高度があがるほど多くの山が見える。

  ⇒登頂がやはり一番、すべてのことがスッキリします。エベレストはじめマカルー、カンチェンジュンガなどの8000m峰が身近に見えます。展望抜群!

  ⇒田舎の町ルクラが、帰ってくると大都会に見える。カトマンズはニューヨークのように見える。

15登山での快適さをもとめるには?

  ⇒好きなCDとプレイヤーをもっていくといいでしょう。音楽は癒しを作ります。

  ⇒休養日には、洗髪や洗濯すると時間を楽しめます。

  ⇒夜中の小便は何回でも行ってください。☆が多すぎて地球は☆だと感じます。

16ネパールのお土産は?

  ⇒紅茶、民俗グッズ(ヒマラヤの山をデザインした座布団やチベット仏教グッズ「タンカ(仏画)」や「マニ車」、神さまの仮面、小物袋や財布など)、香料

  ⇒各国登山隊が放出した装備が安く手にはいります。

 

inserted by FC2 system